世に出される本の多くは、枚葉オフセット印刷機という種類の印刷機で印刷されています。
上の写真は、ちょっと古株の枚葉オフセット印刷機。すでに20年近く、現役で働き続けています。
機械の手前にきれいに積まれている大判の用紙(幅が約90センチほどあります)に、複数のページをまとめて印刷していきます。
たとえばA5判の本ならばこの紙に32ページ分をまとめて一気に印刷します(そう言われても、ちょっと想像しにくいですよね)。
■枚葉オフセット印刷機の機構
オフセット印刷機は大きくフィーダ部(給紙部)、印刷ユニット部、デリバリ部(排紙部)の3つの部分から成り立っています。
実際に印刷機が動く様子を、用紙が通る順番にご紹介していきましょう。
■サッカー部
用紙を印刷ユニットに送り込むフィーダ部のうち、用紙を1枚ずつ分離する機構がサッカー部(suction head)です。冒頭の写真に写っているように大量に積み上げられた用紙を、1枚ずつエアーで持ち上げ、印刷機内部へと送り込みます。
■フィーダーボード
サッカー部から送り込まれた用紙は、フィーダーボード(stream feeder)と呼ばれる送り台の上を通ります。フィーダーボードには検知装置が付いていて、用紙が2枚重なった状態で印刷ユニットに入り込まないようチェックをしています。