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印刷用のデータは色を数値情報として保持している。色を分解し数値化する方式を「カラーモデル」と呼ぶ。カラーモデルには多くの種類があるが、トラブルのないデータづくりのためには代表的なカラーモデルの特徴と一般的な使い方をよく知っておく必要がある。

以下、ビットマップデータを中心に説明する。

線画

1bit
文字やイラストを取り扱う場合は、白と黒の2つの階調しか持たない画像データを作成する。これは古くは「線画撮り」と呼ばれた製版手法に対応するもので、階調数から「モノクロ2階調」「2値(にち)」などと呼ばれる。
データを作成するときは、おおむね最終出力装置(CTPプレートセッター)の解像度に合わせ1200~2400dpiの高解像度とすることが多い。

写真

写真のように階調の豊富な画像は、モノクロならばグレースケール、カラーならばCMYKやRGBといったカラーモデルで色調を保持している。

モノクロ(グレースケール)

gray_256
白から黒までのグラデーションを256階調で表現する。たった256階調でモノクロ写真の豊かな調子を表現するというのは乱暴な気もするのだが、一般的にはこれで十分。書籍に掲載されるモノクロ写真の大半も、256階調のグレースケールで作られている。美術印刷についてはこの限りではなく、もっと高度な画像処理をほどこして、より微妙なニュアンスを追求しているものが多い。

gray

カラー(RGB)

RGB
デジカメなどで撮影された画像の色は、R(レッド)G(グリーン)B(ブルー)という「光の三原色」に分解されたデータになっている(右の図は光の三原色による加色混合の様子を示している)。これがRGBカラーモデルであり、24ビットカラー・16,777,216色を扱うことができる。
RGB画像はDTPなど印刷用途のソフトでも取り扱えるが、一般的に印刷はCMYKを使用するので、最終出力に到るまでのどこかの工程でRGB→CMYKの変換をしなければならない。この変換の際に色味が変わってしまうケースはかなり多い(多くは色味がくすむ)。最終結果をきちんと把握するためには、印刷物制作のできるだけ前工程からCMYKで作成することが望ましい。

色味変化のわかりやすい例

色味変化のわかりやすい例

液晶モニター接写

液晶モニターはRGBの組合せで色を作る

カラー(CMYK、4色)

CMY
オフセットカラー印刷は通常C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)の4種類のインキ(プロセスインキ)を組合せて全ての色を表現する。このCMYK4色のインキに対応した形で色を分解しデータ化するカラーモデルがCMYKである。右の図ではCMYの3色による減色混合の様子を示している。理論的には3色を混ぜ合わせると黒になるのだが、現実のインキには理想値から外れた特性があるため、完全な黒にはならない。その補正のためにK(ブラック)を足して4色としている。出版・印刷業界ではカラーのことをよく4色、4色というが、これは何も最終成果物を4種類の色で塗り分けるということではなく、CMYK4色を使ったフルカラー印刷を意味している。

印刷物はCMYKの4色の組合せで色を作り出している

印刷物はCMYK4色の組合せで色を作る