InDesign組版で逆丁のデータを作る場合、どのようにされているでしょうか?
逆丁の部分は横組みドキュメントとして作り、最後にPDFを出力する際にページ順を逆転させるのが素直で間違いのないやり方だろうと思います。
ところが、InDesignのPDF書き出しにはページ順を逆転させて出力するオプションがありません(下図)。ですから、ちょっとした工夫が必要になります [1]。

どうするかというと……原始的なようですが、「9,8,7,6,5,4,3,2,1」のようにページ番号をカンマ区切りで逆順に列挙するのです。これで、ページ順の逆転したPDFを書き出すことができます。
少し楽をする
このページ番号リスト、逆丁のページ数が少ないうちは手作業で作ってもよいのですが、ページ数が多くなると手作業ではちょっとしんどくなります。
こういうときは、スクリプトを使うとよいです。たとえば、Macならばrubyがプリインストールされているので次のようにリストを作ることができます [2]。
- ターミナルを立ち上げます [3]
- つづいて下記のコマンドを入力します(
(1..250)
の部分に開始ページと終了ページの値を入れます。1文字でも打ち間違えるとエラーになるのでご注意。サンプルをそのままターミナルにコピペして、中の数字だけ打ち変えてもよいでしょう)ruby -e "print (Array(1..250).reverse).join(',')"
- 逆順になったページリストが出力されますので、これをInDesignのダイアログボックスにコピーし、PDFを書き出します。
- ターミナルを終了します。
もう少し楽をする
下記のような簡単なJavaScriptをInDesignのスクリプトパネルに登録すると、もう少し楽になります。
var myDocument = app.activeDocument; // 全ページのノンブルを取得し、逆転させる var nombre = []; for (i = 0; i < myDocument.pages.length; i++) { nombre.push(myDocument.pages[i].name); } nombre.reverse(); var res = nombre.join(','); // PDF書き出しの範囲設定を書き換える with(app.pdfExportPreferences) { pageRange = res; }
もう一つの方法
この記事ではInDesignの操作でページ順を逆転させる方法をご紹介しましたが、PDFは普通の操作で出力し、Acrobatでページ順を逆転させる方法もあります。こちらの記事をご覧ください
- たまに、縦組みドキュメント中に横組みのテキストボックスを配置してページの進行方向を遡るように連結、ノンブルも逆丁になるよう細工をして…という方法で逆丁のデータを作っている例をお見かけしますが、これはなかなか大変な作業ではないでしょうか。 [↩]
- Windowsの場合、Rubyはプリインストールされていません。インストール方法はいろいろなサイトや入門書に詳しい解説がありますので、そちらをご覧ください。 [↩]
- ターミナル(アプリケーション/ユーティリティ/ターミナルにいます)は、Mac OS X に付属するUNIX系端末エミュレータです。コマンドを打ち込むことでさまざまな処理を行うことができます。 [↩]